amaneに入社する前は家具・建具職人として6年間勤めていました。父親が家具職人だったので、将来一緒に仕事をするための修行でもあったんです。そこでは、住宅の玄関収納やキッチン収納、飲食店のバックヤードにある収納棚など、注文を受けてオーダーメイドでつくる造作家具を中心につくっていました。ただ、必要な技術は親方の技を見て盗んでいくスタイルで。試行錯誤しながら、こつこつと技術を高めていきました。

「いつかは父親と一緒に家具をつくりたい」と思っていたのですが、諸事情あり父と一緒に家具職人専門で働くことができなくなってしまったんです。目標を一つ無くし「これから先どうするか」と将来を考え直していたときに、amaneと出会いました。今後、家具・建具にも力を入れていきたいというお話を聞いて、これまで培ってきた知識や経験が活かせると思い大工職人としての道に踏み出しました。

同じものづくりとはいえ、家具と家ではスケール感も責任感も段違い。最初は不安もプレッシャーもありました。でも、amaneのコンセプトハウスを見学させていただいたとき、わくわくしたんです。空間のつくり方や素材の組み合わせなど、細部まで洗練されていてスタイリッシュ。こんなかっこいい家がつくれたら、人生経験としても絶対にプラスになると思いましたね。

一つの現場でたくさんのことを学べるように工夫しています。これまで携わった家づくりは、約10棟。それぞれの現場に入る前は必ず、必要になる技術や注意すべきポイントを自分なりに調べてまとめてきました。そうして先輩方と作業を進めながら、答え合わせをしていくんです。もし合っていたらOK。間違っていたら、どうすれば良いのかを考える。こうした日頃の積み重ねを徹底しています。

また、職人の世界は若手が意見を言えないイメージがあったのですが、amaneではそんなことありません。だから、先輩の意見をただ聞くだけじゃなくて、積極的に自分の考えを伝えるようにもしてきました。例え間違ったことを言ってしまっても「強度を保つために今回はこうしてみようか」「そのやり方は違う場面で使えるよ」というように否定せず、むしろ新しい気づきをくれるのがamane流。

これからも先輩方の知識を引き出して、どんどん吸収させていただこうと思っています。